夢は超スーパースター;;
こちらも後でハングル載せたい…
SHINeeが「お姉さんはとても綺麗」でデビューした時、一番目に留まったメンバーは当然末っ子のテミンだった。みんなと同じダンスを踊ってもひと際目立つ存在なのはもちろんのこと、テミンは生まれながらのグルーヴ感が体に染み付いているように見えたから。16歳の末っ子は「センター」で恐ろしいほど正確に鋭い群舞に合わせて、メンバーの中で唯一ソロでクライマックスを飾った。でも、「独唱」はなかった。SHINeeのデビュー当時、ダンスとは異なり、歌の実力に対しては疑問を持つ評価が飛び交った。「プライドが傷つきました。あの頃は2、3時間しか寝る時間がないくらいスケジュールが詰まっていたんですが、車の中でもちょっと時間ができれば歌の練習をしたりしました。本当におかしくなるくらい歌にしがみついていました。パフォーマンスも重要だけど、歌手の本分は歌じゃないですか。」本来、体を使う才能は生まれつきのもので、一定の水準以上は絶対に成長することはないと信じている私にとって、彼は別の可能性を証明した例だ。2008年にSHINeeがデビューしてから6年間、テミンの歌のパートは少しずつ増えていき、ドラマ「花ざかりの君たちへ」のOSTとしてソロ曲「君なんだ」を歌ったりもした。私を含めて誰が、曲の1小節も歌っていなかったキノコのような髪型のあどけない少年が、サバイバル番組「不朽の名曲」に出演してソン・チャンシクの「一度くらい」を熱唱する姿を想像できただろうか?ボーカル担当のジョンヒョンやオニュではなくテミンが、パフォーマンスではなく声で勝負するステージは逆転に近かった。
そういう点で、8月18日に発売されたテミンの初ソロアルバム「ACE」は時間と努力の集合体だ。「転換できる契機を作りたかったんです。SHINeeのテミンには、ダンスを担当しているとか、可愛いという固定されたイメージがあるじゃないですか。ちょっとずつ出て歌うとか、たかが知れたレパートリーから抜け出したいという気持ちが大きかったです。ステージに起承転結があるというべきでしょうか?1つの曲にもストーリーがあるじゃないですか。それを僕のカラーで再解釈して表現したかったんです。見方によっては演技のような部分が混ざっているとも思います。ヒップホップやポップス、誰々みたい、とかではなくて、僕だけのアイデンティティを見つけ出すのに集中しました。」タイトル曲「怪盗」のステージを見ると、これらの言葉の意味がすぐに理解できた。それはどんなカテゴリーにもはまらないジャンルのステージだったから。ミュージカルを現代的に解釈したメイクと衣装、体で線を作り出すダンスと舞踊の境界にあるようなダンス、ドラマチックな表情と態度、単純に聞くのではなく「見る音楽」を押し出したことに対しては、SHINeeの歩みとの関係性が見られるが、グループの中でもテミンだけが作り出せるステージであるというのは明らかだった。
ひと際見栄えが良いのはやはりパフォーマンスだ。LAのダンサーであり振付師であるイアン・イーストウッドと共にアーバンダンスにストーリーを盛り込んだダンスは、若く見えながら大衆的なステージ芸術を連想させる。「アメリカの若い子たちが楽しんで踊るアーバンダンスをパフォーマンスとして作ったものです。イアンと歌詞をどうやって表現するかについて沢山話し合いました。それから、敢えて振付を何種類もしてもらったんです。例えば、ダンスブレイクのパートは3種類の振付をもらった後、お互いに混ぜたり肉付けしていきながら作りました。僕の意見も沢山入っているんです。いつも、今までやってきたことから少しずつ変化を与えようとする方なんですが、今回は無理に男っぽく見えるようにすることよりは、自然に変化している今の僕の姿を見せたかったんです。」確実にステージの上のテミンは一般的な強い男、力強いイメージとは遠いところにいた。明らかにセクシーなコードはあったけど、それは少年と男性の間の境界にいるために見られる不思議な雰囲気に近かった。「今回のアルバムは、SHINeeよりは暗くて濃い感じです。それがやたらにセクシーだという感じよりは、目つきで伝えるとか、自然に感じられるものであれば良いなと思いました。僕は今が自分の人生のピークだと思います。年をとっている訳でもないし、かといってすごく幼い訳でもないけど、これから出来ることがもっと多くなる気がするからです。今の僕が出来ることを今回のアルバムで確実に見せたいという気持ちでした。」
現実的にアイドルには一種の「寿命」がある。それを延長させるためにアイドルには演技やミュージカル、MCなど、万能エンターテイナーとしての宿命が要求されるものだ。ただ、テミンはステージの上を除いては、確かな「素質」を誇ったことはない。シットコム1回と、時々出演するバラエティ番組が全てだ。ステージに明らかな固執があるこの「アイドル」が描いている絵が気になった。「ある意味、贅沢ともいえると思います。ある人は演技もしなきゃいけないし、バラエティも常にやらなきゃいけないけど、実際にそういう現場にいると正直疲れてしまいます。体質にあまり合わないと言うべきかな?僕はすごく内向的なんです。だけど固執も強いです。幼い頃から本質がはっきりしたミュージシャンにならなきゃという夢が確固としてありました。まだそこまでにはなっていないから、まずはそれを実現させてから他のことを考えたいです。きちんと経験を積んでいけば、やりたい音楽ももっとはっきりして、僕の人生を盛り上げてくれるかもしれないでしょう。今はそういうものを探していってる過程であり、ソロアルバムがそのきっかけになってくれないかなと思います。」
小学6年生の時から1日に10時間近くの練習をほぼ毎日耐えてきたテミンは、誠実で我慢強く「過程」の美徳を全身で体得したケースだ。実力と才能に関する懐疑はもちろん、スランプでさえ、逆に歌とダンスにしがみつくことで克服してきたという彼は、事務所のSMエンターテインメントでも噂になる練習の鬼だ。「もともと僕は貪欲なんです。何かにはまると死ぬまで究めます。歌にはまった時もおかしくなるくらいそれだけをやって、恋をしていた時は何年間もすごく好きでした。すごく些細なことでも同じです。このドラマ面白そうだな、と思うと20話分を一気に見て、それをまたiPadに入れて暇さえあれば見てる、というスタイルです。漫画「ドラゴンボール」は7歳の時から読んでるけど、今でも見るし、台詞も口に出しながら覚えて両親も分かるくらいです(笑)。ある意味、こういう性質が僕の底力であり魅力なんじゃないかなと思います。結局こうやって究めていく中で、ソロアルバムのチャンスが夢のように訪れたということだから。もちろん今このアルバムが完全に「テミン」だと言うことはできないけど、2枚目、3枚目のアルバムではだんだん僕のカラーが濃くなっていくのではないでしょうか?」
可愛らしい外見、末っ子というポジションのために、可愛くて愛嬌のある姿を想像してしまうが、実際に会ったテミンは落ち着いた男性だった。逸脱だと言ってみても、マネージャーに隠れてちょっと外出する程度で、仕事以外ではクラブに一度も行ったことがないと言い、扇風機の風に当たりながら犬を抱っこするのが遊びではない遊びだという模範生。16歳の時のように恥ずかしげに笑う、相変わらず健全な日常を維持する彼にも、反抗的な部分はあるのだろうか?「保守的な方なんです。道理や礼儀、してはいけないことだと思う自分だけの基準が明確だといえばいいでしょうか。変に干渉するところがあって、犯罪事件を見ながら「僕たちの国はなんでこうなんだろう?」と怒ったりもしたり(笑)。例えば、ゲームをしながら両親の愚痴を言っている小学生たちに「お前たちがそんな風に言ったらダメだ」と教え導こうとするような感じです。昔はすごく尖ってました。ひどく関心を持たれると面倒になったり、好き勝手な評価をする人たちを見てすごく怒ったりもしました。最近はかなり柔らかくなった気がします。ちょっと図々しくなった感じ?例えば、昔は女装するのは本当に嫌だったんですけど、今はSMツアーでちょっと面白く女装して歌ったりもします。綺麗という言葉も本当に嫌でした。でも、今はただ自分がそう見えるだけ、それが自分なら仕方ない、と思ったりします。綺麗なら綺麗なんだろうし、かっこいいと言えばかっこいいみたい、こんな感じです(笑)。
約1時間の会話をしながら、テミンは特に「余裕」と「待つこと」という単語を繰り返した。それは、生まれつき真面目で静かな性格の彼が、注目を浴びて輝かなければいけないアイドルとして6年以上生活をしながら得た結論ではないだろうか。「デビュー当時はがむしゃらにやるのが正解だったのなら、今は方法をちょっと変えていかなきゃいけないと思います。余裕といえば余裕だし、怠けてしまう時もあるけど意地を張ってまでやろうとはしないです。実際、僕が自分の能力にうとくて現実をよく知らない方なので、やりたいことは無条件に実践してみる方なんです。そうやって流れていくままにたどり着いたこの場所で一生懸命やってみれば、いつかは僕の非現実的な夢が叶うんじゃないかな?」最後にその非現実的な夢について聞いてみた。「『超スーパースター』になることです(笑)実は実現できると信じています。」
(和訳:うめこ)